運転免許の種類

 自動車の運転免許には「第一種運転免許(一種免許)」「第二種運転免許(二種免許)」「仮運転免許(仮免)」の3つの区分があり、主に以下のような違いがあります。

第一種運転免許自動車や原動機付自転車を運転するために必要な免許
第二種運転免許タクシーやバスなど、営利目的で客を運送するために必要な免許
(自家用バスやレンタカーは除く)
仮運転免許運転免許の取得を目的とする教習生に仮交付される免許

 運転免許は運転する自動車によってさらに細かく分かれ、運転する自動車の種類に合わせて免許を取得する必要があります。ここでは、第一種運転免許の種類を中心に解説します。

免許の種類大型自動車中型自動車準中型自動車普通自動車大型特殊自動車大型自動二輪車普通自動二輪車小型特殊自動車原動機付自転車牽引自動車
普通免許
(AT限定免許を含む)
準中型免許
中型免許
大型免許
小型特殊免許
大型特殊免許
(カタピラ車限定免許を含む)
原付免許
大型二輪免許
(AT限定免許を含む)
普通二輪免許
(AT限定、小型二輪限定、AT小型限定免許を含む)
牽引免許
(小型トレーラー限定免許を含む)

 自動車や原動機付自転車を運転するために必要な第一種運転免許の種類は上表のとおり、全部で10種類です。免許の種類によって運転できる車が異なります。

 第一種運転免許の中でも取得者が多いのが「普通免許」で、普通自動車の免許取得後は普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車の運転が可能になります。

 普通免許は運転する車によって「MT(マニュアル)」と「AT(オートマ)」に分かれています。MTとATでは運転操作が異なるため、普通免許を持っているとMT車・AT車両方を運転することができますが、普通免許AT限定の場合は、AT車のみ運転することができ、MT車は運転することができません。

第一種運転免許の受験資格

運転免許の種類年齢における受験資格視力における受験資格(眼鏡等使用可)経歴における受験資格
大型免許21歳以上両眼で0.8以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.5以上 深視力が三桿法の奥行知覚検査器により、2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下普通第一種免許・準中型第一種免許・中型第一種免許・大型特殊第一種免許のうち、いずれかの免許を受けていて、その期間が通算して3年以上であること(免許の効力が停止されていた期間を除く)。 大型仮免許を受けていて、過去3カ月以内に5日以上、一般道路で運転練習をしていること。
中型免許20歳以上両眼で0.8以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.5以上 深視力が三桿法の奥行知覚検査器により、2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下普通第一種免許・準中型第一種免許・大型特殊第一種免許のうち、いずれかの免許を受けていて、その期間が通算して2年以上であること。 中型仮免許(または大型仮免許)を受けていて、過去3カ月以内に5日以上、一般道路で運転練習をしていること。
準中型免許18歳以上両眼で0.8以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.5以上 深視力が三桿法の奥行知覚検査器により、2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下準中型仮免許(中型仮免許・大型仮免許でも良い)を受けていて、過去3カ月以内に5日以上、一般道路で運転練習をしていること。
大型特殊免許18歳以上両眼で0.7以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.3以上なし
小型特殊免許18歳以上両眼で0.5以上なし
大型二輪免許18歳以上両眼で0.7以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.3以上なし
普通二輪免許16歳以上両眼で0.7以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.3以上なし
普通免許18歳以上両眼で0.7以上で、かつ一眼でそれぞれ左右が0.3以上普通仮免許(または準中型・中型・大型仮免許のいずれか)を受けていて、過去3カ月以内に5日以上、一般道路で運転練習をしていること。
原付免許16歳以上両眼で0.5以上なし

 出典)適性試験の合格基準(警視庁)

 出典)運転免許試験の受験資格一覧表(埼玉県警察)

 第一種運転免許の受験資格については上表のとおりです。免許の種類を問わず、それぞれ年齢と視力に制限があり、大型免許や中型免許などはさらに特定の経歴や他免許を取得していることが条件となります。

 取得者が最も多い普通免許は、18歳以上で、両眼で視力が0.7以上あること(左右それぞれ0.3以上)が条件です。また、普通仮免許(または準中型・中型・大型仮免許のいずれか)を取得しており、過去3カ月以内に5日以上、一般道路で運転の練習をしている必要があります。

運転免許証の色の見方

免許証の色内容運転者区分年齢有効期限
グリーン初めて運転免許証を取得した運転者に交付なし年齢問わず3年間
ブルーグリーン免許から初めて更新する際や、過去5年間に軽微な違反(3点以下)の運転者に対して交付一般運転者70歳未満5年間
70歳4年間
71歳以上3年間
違反運転者年齢問わず3年間
初回更新者年齢問わず3年間
ゴールド有効期限満了日から前5年間、無事故・無違反の運転者に交付優良運転者70歳未満5年間
70歳4年間
71歳以上3年間

 運転免許証は、運転者の運転経歴などがひと目で分かるよう、有効期限が記載されている部分がグリーン、ブルー、ゴールドの3色に分かれています。

 グリーンは免許取得から3年未満の運転初心者の色で、ゴールドは5年間無事故・無違反の「優良運転者」の色、ブルーはそれ以外の「初回運転者」(免許を初めて更新した人)、「一般運転者」(免許取得から5年が経過しており、その間軽微な違反が1回だけの人)、「違反運転者」(複数回の違反があった人)の色となっています。

運転免許証の点数制度

 点数制度とは、交通違反を繰り返す人の運転を制限することを目的に、運転者の交通違反や交通事故に対し、危険度に応じて点数をつける制度です。この点数制度には減点方式ではなく「累積方式」が採用されており、運転中に警察から違反があったとみなされた場合、違反の危険度によって都度点数が加算されます。

 点数はドライバーの違反回数や違反の危険度を表すものであり、過去3年間の累積点数が多い運転者に対しては免許の停止や取消等の処分が行われます。

交通違反の点数と反則金について

交通違反の種別違反点数普通車の反則金額
特定違反運転殺人等・危険運転致死62点刑事罰が科せられる
行為運転傷害等・危険運転致傷45点~55点
酒酔い運転・麻薬等運転・救護義務違反(ひき逃げ)35点
速度超過【一般道】30km以上50km未満6点刑事罰が科せられる
【高速道】40km以上50km未満6点
【高速道】35km以上40km未満3点35,000円
【高速道】30km以上35km未満3点25,000円
25km以上30km未満3点18,000円
20km以上25km未満2点15,000円
15km以上20km未満1点12,000円
15km未満1点9,000円
携帯電話使用等交通の危険6点刑事罰が科せられる
保持3点18,000円
泥はね運転6,000円
公安委員会遵守事項違反6,000円
運行記録計不備4,000円
警音器使用制限違反3,000円
免許証不携帯3,000円

 出典)交通違反の点数・反則金等の一覧表(その1)(埼玉県警察)

 出典)交通違反の点数・反則金等の一覧表(その2)(埼玉県警察)

 交通違反は比較的軽度な「一般違反行為」と危険度の高い「特定違反行為」に分けられており、違反をすると、点数の加点と反則金の支払い、2つの罰則が発生します。反則金は違反の内容によって変動し、主な金額は上表のとおりです。

 一般違反行為の代表的なものは「速度超過」「駐車違反」「指定場所一時不停止等」「シートベルト装着義務違反」「信号無視」などで、1点~6点がほとんどです。危険度の高い違反、時速50km以上の速度超過や酒気帯び運転などについては12点以上が加点されます。また、2019年の法改正により、運転中に携帯電話を使用する「ながら運転」への処分が重くなりました。携帯電話の通話や注視により交通の危険を引き起こした場合、6点減点で免許停止、かつ1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

 特定違反行為の代表的なものには「酒酔い運転」「麻薬等運転」「救護義務違反(ひき逃げ)」「運転傷害等」「運転殺人等」が該当し、35点~62点の加点となります。

 また、違反行為が軽微な場合は「交通反則告知書(青切符)」と反則金仮納付書が発行され、指定期日までに反則金を納付すれば前科はつきません。しかし、反則金を納付しなかった場合、最終的には裁判所や検察庁で裁判になります。無免許運転や酒気帯び運転など重い違反を犯した場合は、赤切符が切られて刑事罰が科せられ、裁判で判決が下されると罰金額が決まり、前科がつきます。

運転免許証の更新等にかかる費用

区分更新手数料法定講習手数料
優良運転者2,500円500円3,000円
一般運転者800円3,300円
違反運転者1,350円3,850円

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